こどもの矯正治療
「上の前歯が出ていて、口を閉じられずいつも前歯が見えている」
「3歳児検診で、反対咬合と指摘された。」
「子供の歯が曲がって生えてきてるんだけど、大丈夫かしら…」
親にとって、子どもの事は自分以上に心配になるもの。見た目を大きく左右する歯並びに関することに敏感になっているお母さまもとても多いのではないでしょうか?
歯並びや嚙み合わせが悪いまま成長すると、将来的にむし歯や歯周病リスクが高まり、健康に悪い影響を与えます。
お子さまの矯正治療は、開始するタイミングがとても重要。適切な時期に治療を始めることで、最低限の労力と費用で治療を済ませることができます。
治療を受けるタイミングや治療の必要性の判断はご家族には難しく、専門家でないと適切な見極めは困難です。
当院では、矯正治療を専門とする歯科医師による無料相談を行っておりますので、お子さまの歯並びで気になることがある方は、まずはお気軽に相談にいらしてください。
子供のうちに歯並びを治した方が良い理由
むし歯や歯周病を予防し、おいしく食事ができる
矯正治療の大きな目的のひとつは、食事を美味しく食べられるようになることです。
歯並びがよくなると、歯磨きしやすくなってむし歯や歯周病になりにくくなります。70~80代になっても歯がたくさん残っていると、自分の歯で食事ができます。
またしっかり嚙めるようになり、胃腸に負担がかからなくなるので健康な身体がつくれます。
厚生省と日本歯科医師会が提唱している「8020運動」は、80歳になっても20本以上自分の歯を残そうという運動ですが、令和4年の調査によると、全体の8020達成率は51.6%だったのに対し、「8020を達成した人の歯並び」を調査すると下記のような割合になっており、歯並びが悪いと将来的に歯を残せる可能性が低くなるというデータも出ています。
子供のうちにこういったリスクに対策することで、将来の健康につながります。
8020を達成した人の歯並びの割合
上顎前突(出っ歯):15.4%
下顎叢生(下の歯並びがガタガタ):28.8%
上顎叢生(上の歯並びがガタガタ):0%
過蓋咬合(かみ合わせが深い):13.5%%
反対咬合(受け口):0%
空隙歯列(すきっ歯):5%
開咬(上下の奥歯を噛み合わせたときに、上下の前歯の間に隙間がある状態):0%
「見た目のコンプレックス」を取り除く
子供のうちに歯並びを治すことは、自己イメージや自信の向上につながることがあります。
特に思春期に差し掛かったお子さまの場合、「見た目」に対する気持ちは大人が考えているよりもとても大きなもの。早めの治療でコンプレックスを取り除いてあげると、自然と笑顔が溢れるポジティブな性格に変われる方が多いのです。
思春期の時期は特に、学校や友人との交流を通じて社交的なスキルを発展させる大事な時期です。
歯並びのコンプレックスが解消されることで、他の子供たちとのコミュニケーションや笑顔が自然になり、良好な人間関係を築くことができるようになります。
効率的に治療を行える
子供のうちは歯や顎の骨が柔軟で成長段階にあるため、歯が移動しやすい状態にあります。
また、歯や顎の成長に合わせた適切な矯正装置を選択して使用することで、矯正治療の効果を最大限に引き出すことが可能です。
成長期に行う矯正治療は、成長に合わせて歯や顎が安定した位置に定着しやすいため、よい歯並びの長期的な安定が期待できます。
矯正しないとどうなるの?
悪い歯並びや嚙み合わせが悪いと、お子さまの成長を妨げてしまいます。
過蓋咬合
上の歯が下の歯に深く被さる「過蓋咬合」のお子さまの場合、下の歯を抑え込んでしまい、下顎の成長を妨げてしまいます。また、顎関節に負担がかかりやすくなり、将来、顎関節症になる可能性があります。
反対咬合・開口・上顎前突
上下の歯が反対に噛み合っている「反対咬合」は、前歯が開いた状態の開口、上顎が前に突き出ている出っ歯(上顎前突)などのお子さまには、下顎を前に出したり、舌や唇で歯を強く押す癖を持っている場合があります。こうした癖は、矯正装置を装着した時と同じ力が働き、将来的に手術が必要になったり、治療が難しくなる場合があるので早めの治療が必要です。
診断を受けるタイミングは?
理想的には、5~6歳になったら、まず矯正を専門とする歯科医院の受診をお勧めします。
目安は小学校入学前後ぐらいがいいでしょう。現状の歯並びや嚙み合わせをチェックして治療の必要性を判断します。その後、定期的に口腔内をチェックして治療のタイミングを見極めます。
歯並びが気になったらいつでも相談に来てください
お子さまの歯並びが気になったら、5歳になる前でもよいので早めに相談に来てください。
症状が重い反対咬合や出っ歯、全体の歯が噛み合っていない場合などは、治療が必要なケースです。
特徴的な症状がないとご家族が見逃してしまうケースがありますので、少しでも疑問を感じたらすぐにご相談ください。
子どもの矯正を始めるタイミングは?
一般的には6歳から7歳、永久歯の前歯と奥歯が生えてくる時期に、顎の変形が強いケースは幼児のうちに一度ご来院をお勧めしています。
理想的には成長上にアンバランスの芽が出始めた頃から、何らかの対策を講じた方が良いでしょう。
しかし、お顔が一人ひとり異なるように、歯や顎、そして心の成長はお子さまによって千差万別です。早い時期に矯正を始めた方が良いお子さまがいれば、しばらく成長を待ってから始めた方が良いお子さまもいます。
ひとついえることは、骨格の不調和をそのままにしておくと5年後・10年後に不調和が更に大きくなってしまい、その結果、矯正治療が難しくなる場合があります。
もし、お子さまの歯並びが気になるようでしたら、なるべく早めに矯正を専門とする歯科医院を訪ねることをお勧めいたします。
指しゃぶりや口呼吸などで歯並びが悪くなると聞いたのですが
物を飲み込むときに舌を突き出し歯を押す癖(舌癖:ぜつへき)や指しゃぶり口呼吸などの癖は、歯並びに悪い影響を与える場合があります。これらの悪習慣のせいで、開咬(前歯が開いている)や上顎前突(いわゆる出っ歯)、あるいは反対咬合(受け口)といった悪い歯並びになりかけているお子さまは少なくありません。
こうしたお子さまには、矯正装着の他にMFT(筋機能療法)と呼ばれる口周りの筋肉のトレーニング方法をアドバイスします。
MFT(筋機能療法)とは、舌や唇、頬など、お口の周りの筋肉を強化して、正しく機能させるためのトレーニングです。
このトレーニングは、一般的には小児矯正の分野で用いられることが多く、歯並びを悪化させている原因となっている舌の癖や、口呼吸などの習慣を改善する目的で行われます。
また、歯や顎、顔の正常な発育を促すために、舌や唇、頬などを含めた口腔周囲筋の筋力を鍛えるトレーニングとしても行われます。
せっかく矯正治療を行っても癖や習慣が治っていない状態では、後戻りしてしまう可能性も高いですので、長期安定を目指すためにもMFTトレーニングをおススメしております。
歯並びが悪いお子さまの中で、こうした癖が見られるお子さまをお持ちの親御さまは、ぜひ一度当院までご相談ください。お子さまに合った効果的なトレーニング方法をアドバイスさせていただきます。
子供でも目立たない矯正装置は使えるの?
昨今、目立つ矯正装置をつけているといじめの対象になる恐れがあります。
そうなると、矯正をしたためにお子さまの心を傷つけてしまうことになりかねません。
当院では楽しい矯正を心がけ、大人と同じホワイト・ブラケット+ホワイトワイヤーを使用しています。
就活中こそ矯正治療を!
高校生や大学生には、就職活動が間近に迫ってくると矯正装置を外して欲しいという人がいます。
アメリカでは、矯正治療は一種のステータス。歯並びが悪いというだけで評価が低くなってしまいます。
就活中に矯正治療をしていても、むしろ仕事や人生を前向きに考えている証とみられるようです。
就活のために装置を外してしまうと、せっかく整いかけた歯並びが元に戻ってしまいます。ネガティブに考えずに、意欲の高さをアピールする強力な武器として、前向きな自分を表現してみてはいかがでしょうか。
子どもの矯正治療の流れ
小児矯正は、大きく分けると第1期と第2期の2段階で、それぞれで治療を進めます。
ステップ1/第1期治療
この時期は永久歯が生えてくるスペースをつくったり、歯並びや顎の成長に悪影響を与える噛み合わせの改善をして、順調な顎の成長や歯の生え変わりを誘導します。
第1期治療で理想的な結果が得られれば、第2期治療までいかずに治療が終了。期間が短くなり費用はかさみません。
また第2期治療へ進む場合でも、永久歯を抜かず治療できる可能性がグッと高くなります。
ステップ2/第2期治療
第1期治療では完全に仕上げられない場合に行う治療です。基本的に成人治療と同様の治療です。
※初診時に永久歯が生え揃っている方は第2期治療からになります。